Brain Wiki
Advertisement

CASIO EX-word DATAPLUS 用のソフトウェアを開発できる、コンパイラを含むツールチェインです。ゲーム機向けの非公式開発環境である devkitPro に EX-word 対応が追加された fork です。現状では macOS または Linux (WSL や仮想マシンを含む) が必要です。

Fandom の記事名の制約から先頭が大文字になっていますが、正しくは devkitSH4 です。

導入[]

コンパイル済みバイナリを使用する場合[]

こちらから適切なものをダウンロードし、適当な場所に展開します。そして、記載の通りに環境変数を設定します。~/.profile 等に追記しておくと、毎回再設定をする必要がなくなり便利です。この場合、初回は追記後にこのファイルを読み込み直すか、手動での環境変数定義も行うかで、シェルに反映させる必要があります。

次に、sh-elf-gcc -v を実行します。これによって以下のような出力が得られれば環境構築は完了です。コマンドが見つからない等のエラーが出た場合は、正しくインストールできていません。

Using built-in specs.
COLLECT_GCC=sh-elf-gcc
COLLECT_LTO_WRAPPER=/opt/devkitPro/devkitSH4/bin/../libexec/gcc/sh-elf/8.3.0/lto-wrapper
Target: sh-elf
Configured with: ../../gcc-8.3.0/configure --enable-languages=c --enable-lto --with-gcc --with-gnu-ld --with-gnu-as --disable-nls --disable-shared --enable-thre
ads --disable-multilib --disable-win32-registry --disable-libstdcxx-pch --target=sh-elf --with-newlib --prefix=/home/c0b2113621/buildscripts/devkitPro/devkitSH4
 --enable-poison-system-directories --disable-dependency-tracking --with-pkgversion='devkitSH4 release 1' --build=x86_64-unknown-linux-gnu
Thread model: single
gcc version 8.3.0 (devkitSH4 release 1)

ソースからコンパイルする場合[]

必要なパッケージを取得します。APT を用いないシステムでは、等価なものを適切な方法で取得します。

sudo apt install build-essential autoconf automake bison flex libncurses5-dev libreadline-dev texinfo pkg-config

devkitSH4 のソースコードを取得します。こちらからダウンロード・展開しても構いません。

cd /path/to/clone
git clone https://github.com/watamario15/buildscripts.git

取得したソースコードのディレクトリに移動します。

cd buildscripts

devkitSH4 をインストールするディレクトリを作成し、所有者を自身に設定して書き込めるようにします。以下のコマンドの /path/to/install はインストールしたい場所で置き換えてください。よく分からない場合は /opt/exword とします。ここで /opt/exword 以外の場合は config.sh の BUILD_DKPRO_INSTALLDIR も修正します。自身のホームディレクトリ下に配置する場合は sudo 無しで mkdir すれば十分です。

sudo mkdir -p /path/to/install
sudo chown "$(whoami):$(whoami)" /path/to/install

いよいよ devkitSH4 をコンパイルします。これにはかなりの時間が掛かります。

./build-devkit.sh

完了したら、以下のような出力とともに終了します。取得したソースコード、パッケージ、一時ディレクトリは削除しても構いません。エラーメッセージの場合は、その内容を元に調整して再度やり直します。

note: Add the following to your environment;

  DEVKITPRO=/opt/exword
  DEVKITSH4=/opt/exword/devkitSH4

add /opt/exword/tools/bin to your PATH

以降の流れは、前節のコンパイル済みバイナリを使用する場合と同じです。

開発[]

まずは Gnuboy EX のソースを clone するか ZIP でダウンロードするかで取得し、そのディレクトリ内で make を実行するとコンパイルが成功することを確認します。警告は無視しても構いません。実際に得られた成果物を EX-word にインストールして動作確認してもいいでしょう。ここまでうまく行けば、環境構築は成功しています。

次は Gnuboy EX をベースにしながら、要らないファイルを消したり修正したり、という形で開発を進めましょう。執筆時点で Gnuboy EX 以外の非公式ソフトウェアは存在せず、開発用ドキュメントも皆無なので、開発環境自体のソースコードや Gnuboy EX をドキュメントとする他ありません。EX-word は Windows CE の開発ノウハウをそのまま利用できる Brain とは違い、独自 OS を採用する特異なデバイスです。この開発環境は個人の方が作成された簡易的なものであり、基本的に低レイヤなライブラリしかありません。実用的なソフトウェアの開発には、高度なスキルと作業量が求められるでしょう。この分野を開拓した方は、ぜひ加筆などでノウハウの共有をお願いします。

Advertisement