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Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0 は、Windows CE .NET デバイス向けアプリケーションの Microsoft 公式の無料の開発環境です。このページでは、この開発環境を用いて Brain 向けのアプリケーションを作成する手順を紹介します。ただし、第5世代向けアプリはこの方法では作成できないのでご注意ください。

導入方法[]

注) Windows Vista 以降では eVC4 のフル機能を使用することはできず、また互換性オプションで何とか動作しているレベルなので問題が生じるかもしれません。Windows 2000 や XP が使えない場合は、VS2005, 2008CeGCC を使うのが無難です。また、Windows Vista 以降ではインストール時にエミュレータ関連のエラーが出る場合がありますが、無視してください。

Arm 版の Windows 10/11 を使用している場合は、予め winevdmntvdm64.dll をインストールしておく必要があります(DLL 側の Readme の手順に従う)。この方法では eVC4 のインストーラが Standard SDK のインストールまで一貫して行うようです。

  1. Microsoft Download Center (直リン) から eMbedded Visual C++ 4.0 JA をダウンロードします。また、デスクトップなどのわかりやすい場所に "2" 以降で使用する作業用フォルダ (例: unzip_emvc) を作成します。
  2. ダウンロードしたファイルを実行すると自己解凍の設定が開きます。Browse... ボタンをクリックして "1" で作成した作業用フォルダのディレクトリを指定し、Unzip ボタンをクリックして解凍します。
  3. "2" で指定した作業用フォルダのディレクトリ直下にファイル群が展開されていることを確認します。
  4. "3" で確認した作業用フォルダ内の setup.exe を実行し、ダイアログの指示に従ってインストールします。なお、途中で聞かれるプロダクトキーはダウンロードページに記載されています。
  5. Windows 2000, XP の場合は Service Pack 4 (直リン)、Windows Vista 以降の場合は Service Pack 3 (直リン) をダウンロードして実行します。"2" と同じく自己解凍の設定が開くので、同様に解凍します。
  6. DISK1 というフォルダができているはずなので、その中の setup.exe を実行し、指示に従いインストールします。
  7. Standard SDK をインストールします。なお、Windows 2000, XP の場合は両方の SDK をインストールしておき、ビルド時にどちらを使うか選択することも可能です。
    • Windows Vista 以降であるか、他の CE4 系デバイス(シグマリオン3など)も対象とする場合は"3"で確認した作業用フォルダ内の SDK フォルダに入っている setup.exe を実行し、指示に従いインストールします。ただし、Windows Vista 以降の場合は Windows XP (Service Pack 3) の互換モードを設定して実行します。
    • Windows 2000, XP であり、他の CE4 系デバイスを対象としない場合は Windows CE 5.0 の Standard SDK をダウンロードし、インストールします。SHARP Brain のネイティブにより近いものができるのはこちらです。
  8. スタートメニューに追加された Microsoft eMbedded Visual C++ 4.0 を実行し、新規作成を押します。以下のようなウィンドウが出るので、右下の CPU にチェックができるかどうかを確認します。起動中にエラーメッセージが出るかチェックボックスがグレーアウトしている場合は、インストールに失敗しているのでもう一度今までの手順を確認してください。特に SDK のインストールに失敗しているケースが多いです。
EVC4 CreateNew

ビルド[]

まず、サンプルプロジェクトでビルドできることを確認します。

  1. 「ファイル (F)」->「新規作成」->「WCE Application」で適当にプロジェクト名を決めます (例: HelloBrain)。プロジェクトの場所はデフォルトでは奥底 (C:\Program Files\Microsoft eMbedded C++ 4.0\Common\EVC\MyProjects\XXX) になるので、変えておいた方が良いです。
  2. CPU は ARMV4I にチェックを入れます。他もターゲットにしたければ追加でチェックを入れても構いません。
  3. 「標準的な "Hello World" アプリケーション」を選択し「終了 (F)」、次に OK を押します。
  4. 左上に「Win32 (WCE ARMV4I) Debug」、また Windows CE 5.0 の SDK を使う場合はその左で「STANDARDSDK_500」に切り替え、「ビルド」ボタンを押します。終了時に「・・・アプリケーションをエミュレータ デバイス上で実行することはできません」のようなエラーが出ますが、無視して OK を押します。
  5. 成功すれば、プロジェクトフォルダの ARMV4IDbg に Brain で動作する実行ファイルが生成されます。アプリの起動方法に記載の方法で実行すると、サンプルアプリケーションが実行されます。

自動生成されるものはファイルがごちゃごちゃしているため、実際に開発する場合は「空のプロジェクト」を作成してソースコードを追加し、ビルドすることをお勧めします。既存のプロジェクトを参考にすることも可能です。

補足[]

ソースファイル、ヘッダファイルやリソースは、左を「FileView」に切り替えると現れ、ダブルクリックで開けます。なお、文字コードは Shift_JIS のみに対応します。

「プロジェクト」->「設定」->「リンク」の出力ファイル名は「ARMV4IDbg/AppMain.exe」(Release ビルドなら「ARMV4IRel/AppMain.exe」)にしておくと、毎回変更して転送する手間が省けるので楽です。また、外部ライブラリを使う場合やリンカエラーが出た場合は、その下の「オブジェクト/ライブラリ モジュール」に必要なライブラリファイルを追加することになります。Win32 API 関数がどのライブラリで提供されるかは、「関数名 Windows CE」とかで出てくる MS の記事の一番下に書いてあります。commctrl.lib, commdlg.lib, mmtimer.lib 辺りは追記することが多いです。

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