Brain Wiki

Brain で使える Web ブラウザを紹介しています。インターネットがあれば Web サーフィンできるほか、オフラインでも HTML ファイルの閲覧という形でダウンロードした Web ページを閲覧できます。

インターネット接続[]

Brain は RNDIS を使用して母艦 PC と接続することで、インターネット接続が可能です。母艦としては Windows と Linux が使用可能です。macOS は kext を使わない RNDIS 実装が現状存在しないため使用できません。

まず、以下の内容を適当な名前の .reg ファイル(テキスト形式)として Brain に保存し、Tascal Registry Editor で取り込みます。この際、ファイル末尾に改行を入れて CRLF で保存してください。読み込み時にエラーが全く表示されずに完了のポップアップだけが出れば成功、エラーが出れば(完了のポップアップが出ても)失敗です。

REGEDIT4

[HKEY_LOCAL_MACHINE\Drivers\USB\FunctionDrivers\RNDIS]
"Dll"="rndisfn.dll"
"FriendlyName"="Rndis"
"idVendor"=dword:045E
"Manufacturer"="Generic Manufacturer"
"idProduct"=dword:0301
"idProductInternetSharing"=dword:0303
"Product"="Generic RNDIS"
"bcdDevice"=dword:0

[HKEY_LOCAL_MACHINE\Comm\RndisFn]
"DisplayName"="netmui.dll,#9003"
"Group"="NDIS"
"ImagePath"="rndisfn.dll"
"NoDeviceCreate"=dword:01

[HKEY_LOCAL_MACHINE\Comm\RndisFn\InternetSharing]
"Enabled"=dword:01

[HKEY_LOCAL_MACHINE\Comm\RndisFn\Linkage]
"Route"="RndisFn1"

[HKEY_LOCAL_MACHINE\Comm\RndisFn1]
"DisplayName"="netmui.dll,#9002"
"Group"="NDIS"
"ImagePath"="rndisfn.dll"

[HKEY_LOCAL_MACHINE\Comm\RndisFn1\Parms]
"BusNumber"=dword:0
"BusType"=dword:0
"RebindOnResume"=dword:0

次に、CEをビルドするで得た rndisfn.dll を Brain の \Windows フォルダに配置します。該当の記事内で説明していますが、特別な設定をしないとこの DLL は得られないので、もし存在しない場合は設定を修正してもう一度ビルドしてください。

次に、母艦 PC と接続した状態で、Brain で Control Panel を開きます。Freescale usb driver という項目があるので開き、出てきた画面で RNDIS を選択します。その後、Apply を押して表示される警告ポップアップを閉じます。この操作は Brain がサスペンドする度に行う必要があります。

WinCE-RNDIS

RNDIS を有効化する画面

以降のステップで繋がらない場合、Brain を一旦 USB ポートから抜いて差し直すと、正しく初期化処理が行われて繋がることがあります。

母艦が Windows の場合[]

Windows 11 24H2 を想定して説明します。設定の UI がコロコロ変わるため細かいバージョンによって設定の場所が異なりますが、少なくとも Windows 10 以降であれば(おそらくもっと古くても)どこかにはあるはずなので頑張って探してください。

まず、母艦 PC の「設定 > ネットワークとインターネット > ネットワークの詳細設定」を開きます。この画面で、Brain の RNDIS アダプタの名前を確認します。「識別されていないネットワーク」や「Remote NDIS...」などと併記されている、「イーサネット 4」のような名称のデバイスが該当します。そして、母艦 PC が現在インターネット接続に使用しているネットワークアダプタ(Wi-Fi や有線 LAN など)について、「その他のアダプター オプション」を開きます。

開いた画面で「共有」タブに切り替え、「ネットワークの他のユーザーに...接続を許可する」のチェックを入れます。そして、プルダウンで先ほど名前を確認した Brain の RNDIS アダプタを選択し、「OK」で閉じます。すると Brain がインターネットに疎通し、Opera Mini などが使えるようになるはずです。

Windows-RNDIS

Windows の設定画面。コロコロ変わる UI でここまでたどり着くのに割と一苦労...

設定の初期化は、デバイス マネージャーの「ネットワーク アダプター」から「Remote NDIS based Internet Sharing Device」をアンインストールすることで行います。未接続の場合は表示されませんが、「表示 > 非表示のデバイスの表示」を有効化すると薄い文字で表示されます。「アンインストール」という表現ではありますが、実際には単に設定がデフォルトに戻るだけで、ドライバの再インストールなどが必要になるわけではありません。

母艦が Linux の場合[]

使っているデスクトップ環境によって設定画面の UI は異なりますが、類似の設定を探してください。コマンドでもできるはずです。

KDE の場合、KDE システム設定の「Wi-Fi とネットワーク」を開き、「新しい接続を追加」から「有線接続(共有)」を「作成」します。「有線」タブで「このデバイスのみに制限」から Brain のインタフェースを指定し、「General」タブで「この優先度で自動的に接続」にチェックを入れ、「保存」を押します。母艦が有線 LAN でインターネットに接続している場合は、対応する(元からある)有線接続の「有線」タブの「このデバイスのみに制限」に有線 LAN のインタフェースを指定しておきます。すると Brain がインターネットに疎通し、Opera Mini などが使えるようになるはずです。

GNOME の場合、設定の「ネットワーク」を開き、「USB Ethernet」の歯車ボタンを押します(バージョンによっては単に「有線」としか表示されない場合もあります)。出てきた画面で、「IPv4」タブの「IPv4 メソッド」を「他のコンピューターと共有」に変更し、「適用」を押します。すると Brain がインターネットに疎通し、Opera Mini などが使えるようになるはずです。

Linux-RNDIS

KDE の画面。GNOME はこちらこちらを参照。

Brain の IP アドレスは DHCP で割り当てられます(母艦が Windows の場合は 192.168.137.xxx の範囲)。MioPocket の ResInfo で System -> IP Address... を見たり、レジストリの HKEY_LOCAL_MACHINE\Comm\RndisFn1\Parms\TCPIP\DhcpIPAddress の値を見たりすることで確認できます。母艦側の RNDIS アダプタで確認できる IP アドレスは、あくまでも母艦側のアドレスなので注意してください。

ブラウザ紹介[]

AlReader2(オフライン専用)[]

ロシア生まれの高機能 HTML ビューアです。JavaScript や新しい HTML 規格には対応しないためレイアウトが崩れるサイトが多いですが、5ch 掲示板のような簡素なページなら PC のブラウザとほぼ同じように閲覧できます。豊富な機能と親切な UI、動作の速さ、背景の時計(不要なら設定で消せる)が特徴です。

導入[]

AlReader / ダウンロード

上のリンクからダウンロードした「alreader2.wce.arm.zip」を解凍して、Brain の SD カード内の「アプリ」フォルダにコピーします。アプリの起動方法を参考に、「AlReader2.exe」を「AppMain.exe」にリネームして、「index.din」を作成しておくと辞書アプリに表示されます。

使い方と機能[]

まずは「Menu」タブの解説。

20180330082748

かなり多いメニュー項目。たくさんの動作が出来る。

Open
ファイルを開く。ちょっと変わった、独自のファイルダイアログが出現します。
File
ファイルの保存や文字コードの変更。日本語が文字化けする場合は、「File Format」で正しい文字コードを設定します。
Text
マーカーなど。
Bookmarks
ブックマークの管理。
Go to
ページの指定した場所に遷移。
Preferences
各種設定。行頭文字が斜体になるのが嫌な人はここから設定できます。
Profile
カラーやフォントの設定。AppMain.exe と同じフォルダにビットマップを入れると背景に設定できるようになるので、フォントの色設定と組み合わせてどうぞ。
About
AlReader2 と閲覧中の HTML についての詳説。
Quit
AlReader2 を終了。

続いて「Action」タブの解説。

20180330082741

「アクション」とだけあって、なかなかアクティブな機能が並ぶ。

Full Screen
フルスクリーン表示の切り替え。
Next Profile
背景テーマの切り替え。
Rotate Screen
画面の向きの切り替え。0°、90°、180°、270° から選択可能です。
Font
フォント設定。こちらはデザインではなく、サイズや書体を設定します。
Display
ステータスバーなどの表示設定。
Navigation
ページやチャプターの管理。
Forward/Back
前に進む/戻る。だいたいキーボードで済ませられるので、キーボードのない「受験 Brain」以外ではあまり使いません。

たまにメニューバーが消えることがあります。「戻るボタン」を押してみるか、画面の上の方をタッチしてみてください。

Opera Mini(オンライン専用)[]

HTML レンダリングエンジンを搭載せず、Opera 側のサーバでレンダリングした結果を表示することで、非力で新しいプロトコルに対応しない Windows CE デバイスでも Web 閲覧を可能としたブラウザです。この性質上、動作にはインターネット環境が必須です。最近の Web サイトは崩れるものが多いですが、単純なサイトであれば快適に閲覧できます。

MioPocket の MioAutoRun\Programs\Opera Mini\OperaMini5-WM-armv4i.exe を起動すれば使えます。

iSee Browser(オンライン・オフライン)[]

中国で 2008 年ごろに開発された WebKit ベースの Web ブラウザです。JavaScript が動作するため AlReader よりも幅広い Web サイトを表示でき、簡易的な Web アプリを実行することも可能です(オンラインの場合、最近の HTTPS プロトコルに対応しないので基本的に HTTP のサイトのみ閲覧できます)。PDF ビューアや AlReader 等の HTML ビューアと比較しても高速で、ページの読み込みも圧倒的に速く、スクロールも軽快です。

導入[]

ダウンロード

まず、ブラウザで使うフォントを用意します。exe ファイルと同じディレクトリに「SUNGLOBE.TTF」という名前で適当なフォントを配置してください。特にこだわりがなければ、Brain の NAND に入っている DFGHSGothic-W5-SH.TTF が使えます。その後は、アプリの起動方法に従ってください。

使い方[]

ISeeBrowser2

iSee Browser では JavaScript が動作します。

HTML ファイルを開くには

file://[HTML ファイルのフルパスの「\」を「/」に置換]

という形で上部の入力欄に入力し、決定を押します。

例えば、「\Storage Card\iSeeBrowser\Clock.html」は

file:///Storage Card/iSeeBrowser/Clock.html

となります。

iSee Browser を開いた状態でサスペンドすると復帰できなくなります。その場合はリセットしてください。また、たまに URL を入力しても画面が推移しなくなります。その場合はアプリを再起動すると治ります。

Zetakey HTML5 Browser(オンライン・オフライン)[]

Windows CE 向けブラウザでありながら HTML5/JavaScript に対応する異色のブラウザです。ローカルファイルの読み込みにも対応し、AlReader2 よりはるかに高い再現度で Web サイトを閲覧できます。ただし、Brain で動かすにはひと手間加える必要があるほか、動作が重く不安定なのが難点です。

導入[]

Zetakey HTML5 Browser

  1. 「Windows CE 6 armv5 nosip 20170628」、「Windows CE 6 20170216」、「Windows CE 6 lite 20160809」のいずれかをダウンロード・展開します
  2. 起動しないCEアプリを動くようにするの coredll.dll ハックを行います
  3. MioPocket から IPHLPAPI.DLL をコピーします
  4. 以上のファイル一式を Brain に転送し、起動します

かなりメモリ容量を必要とするため、本体をリセットして辞書アプリを終了した状態での使用を推奨します。メモリ不足の状態では起動しません。

PDF に変換して閲覧する場合との比較[]

PDF 形式で保存して閲覧する場合と比べると、HTML 形式での閲覧には以下のような特性があります。

素早い
単純な Web サイトであれば、高速に閲覧できます。
PDF の場合、ソフトやサイトの複雑さによっては 10 秒以上待たされる場合もあります。
表示は崩れやすい
ブラウザの仕様の違いや機能の不足によって、レイアウトの崩壊などが発生しやすいです。
PDF の場合、レイアウトが崩壊することはほぼありません。

こうしたことを踏まえると、HTML で閲覧した方が優れている Web ページは以下が挙げられます。

5ch をはじめとした各種掲示板
レイアウトも崩れにくく、レンダリングの速度も活かせます。
HTML 直書きの Web ページ
平成初期のサイトでよく見られ、レイアウトはほとんど崩れません。
テキスト中心の Web ページ
ページによってはレイアウトが崩れますが、レンダリングの速度が活きます。

ちなみに、当 Wiki は XTBook での閲覧がおすすめです。